正シイ乙女ニナル為ニ
初めての記事のタイトルは敬愛する嶽本野ばら様の著書より拝借致しました(表記は変えてありますが)
我が家は地元でも有名な書店でした。
一般図書はもちろん、各種専門書の品揃えは群を抜くものがあったと未だに思っております。
お名前は控えさせて頂きますが、様々な作家の方もよくご来店されていたそうです。
数年前に閉店致しましたが、その際は沢山の方に惜しんで頂く程多くの方に愛して頂いた書店でありました。
そのような環境、そして我が家の家訓もあって物心着く前から身の回りには書物が溢れておりました。
それはそれは様々な書物が溢れておりました。
何も知らない子供にとって、その場にある「本」は全て読み物でした。
そして出会ってしまったのです。
漫画コーナーの片隅、やたらと綺麗な絵が沢山描かれている書物に。
そういえば我が家にもあったような気はするし、普通の漫画だろう…そう思った私は甘かった。
少女漫画か少年漫画というジャンルしか知らない小学生にとって、判断基準なんてものは存在しない。
だが、それが何たるかは誰も教えてくれなかった。
現に。
私は間違いなくその場でその本を買ったのだ。
小学生の私が恐らく買ってはいけない本を買ったのだ。
何故あのときのレジのお姉さんは売ったのだろうか…未だに謎である。
謎ではあるが、なんとなく微笑まれた記憶がある。
そう、それこそが
BL漫画
である。
当時の私は学園探偵物にはまっていた。
その元凶は『CLAMP学園探偵団』と『20面相にお願い!!』である。
えぇ、とても良い学園探偵物ですよね(微笑)
ですので、そんな感じの設定のBL漫画を誤って買ってしまったのである。
や、たしかに立ち読みしててちょっとおかしいとは思った。
作中に出てくる怪人20面相的な悪役が「今宵これを頂きに参る!!」って宣言したものが探偵の男の子(小学生)の靴下だった段階でおかしいとは思った。
なんでこの大人の人は靴下なんてほしがるんだろう…とか思った…思ったよ!!
でも、ついうっかり買っちゃったし売られちゃったんだもん。
そしてしっかり読んじゃったんだもん…だって我が家の家訓
漫画、小説、新聞「字」が書いてある物は何でも良いので読む
を、律儀に守りますよねだって私良い子でしたから(早口)
そして知ってしまった新しい世界。
この世には…男性同士の恋愛があるんだ…
小学3年生で知るには早すぎる世界でした。
当時の同級生は少女漫画にご熱心なので当然まだこのような世界は知りません。
「あぁ…こんな王子様みたいな人とお付き合いしてみたいなぁ…」
って言ってる同級生の隣で
「あぁ…こんな王子様みたいな人があんな男の人に…」
とか思ってるなんて口が裂けても言えなかった(真顔)
(あんな男の人に何がどうだったのかはご想像にお任せ致します)
書物との出会いというものはこうして人生の中に静かに波紋を作るのです。
そしてその波紋が広がっていき、静かに、静かにその人の人格形成にも影響するのです。
小学生にして新しい世界を手に入れた私はその後も色々な作品を読みました。
なにせ実家にもありましたから(後にそれは母親の物だったと気付く)
そのせいで「耽美」という世界を知り、それがきっと私の創作に対する根本にあるのだと思っております、影響バリバリじゃん。
「耽美」良い響きですね(うっとり)
こうして多く時間を経て出来上がったのがこの私。
清く正しい腐女子
で、ございます。
正しい乙女になるはずだったのに。
野ばら様が「乙女はジーンズを履きません」と仰ったからジーンズを持っていないのに(リアルに15年以上買っておりません、履いておりません)
でも、後悔なんてしてない…だってとっても楽しいもの。
強く逞しく生き抜くのも乙女であり、腐女子でございます。
世の中の色々な物に憂いながら、それでもしっかりと前を向き、スカートの裾を翻して歩いて行くのが我々でございます。
どんなに辛かろうとも、人生は楽しいもの、なのでございます。
このように私は多くの書物と関わることにより多くの物を学び、そして多くの方と語り合ったりも致しました。
それは何者にも代えがたい経験であり、財産であると思っております。
出会いに感謝、とはこのことです。
よって、このブログにおいては私が触れた作品をこのような感じで、感想を交えながらお話していけたら、と思っております。
BL作品以外も書きますよ!!
なんなら今回はBLでしたが違う回もありますから!!
どうぞよしなにお願い致します。